小沢一郎の代表選出馬に対して、マスコミは大義なき抗争だとか国民不在の権力闘争だと矮小化して貶めている。だが、これは菅陣営と一体になったマスコミによる根拠のない悪質なプロパガンダである。本当は、まさに政策こそが争点になっているのであり、対立は政策路線の相違によって生まれている。マスコミが政策の対立軸に焦点を当てて代表選を報道しないのは、その本質を隠蔽するために他ならない。小沢一郎を権力の亡者に仕立て上げ、小沢一郎への国民の反感をテレビで焚き付け、小沢叩きの世論を燃え上がらせて、1年生議員の票を菅直人に流し込むためだ。実際には、信義を欠く無用な抗争を仕掛けているのは、小沢一郎の方ではなく菅直人の方ではないか。事実認識を誤ってはならない。代表選での激突を避けようという意思があるのなら、菅直人が人事で挙党態勢を配慮し、政策を昨年の政権交代の原点(鳩山マニフェスト)に戻せばよかった。参院選で大敗した菅体制は権力続行の正統性を失っていて、本来なら代表辞任が当然であり、それができないのなら、官房長官・幹事長・政調会長を一新して責任をとり、新体制で出直すのが道理だったのである。挙党態勢の協調を拒否し崩壊させているのは菅直人の側で、小沢一郎を屈服か出馬かの選択に追い詰めたのは菅直人の方だ。その謀略の狙いは、代表選に小沢一郎を誘き出し、政治生命を断つためで、「国民の生活が第一」の政策を廃棄処分する根拠と前提を得るためである。