NHKのETV特集で『
日本と朝鮮半島2000年』のシリーズが始まった。大型企画の歴史特集で、1年間かけて全10回放送される。しかも1回の放送時間が1時間半と長く、実に本格的で大規模な特集として企画制作されていて、このような番組の出現を待ちわびていた私は感無量である。これまで、私から見て、NHKの韓国朝鮮研究は貧弱で、大型の名作を作り残す想像力と使命感を持っていなかった。特に、NHKの中国歴史研究が圧倒的な
世界的水準であったのに較べて、NHKの半島歴史研究はあまりにも弱く、そこへ踏み込んで行く知性と勇気の欠如が私には不満だった。なぜNHKは朝鮮半島の歴史に正面からチャレンジしないのか、私の欲求不満は80年代から続き、そして2000年代に入って政治が極右化する情勢になり、安倍晋三による愚劣な介入事件などがあり、その希望を半ば諦めかけていた。ようやく悲願の放送に立ち会うことになった。司馬遼太郎が生きていたら、金達寿が生きていたらと、そう思わずにはいられない。今年のNHKは目を見張るほど制作に意欲的で、面白い企画が目白押しで、私は週末毎にテレビに齧りついている。