宮城県や岩手県の知事が何で報道に出て来ないのだろうと不審に思っていたが、その理由の一つかと推測される法律の所在があった。
災害救助法という行政法がある。そこには次の条文規定がある。第22条、「
都道府県知事は、救助の万全を期するため、(略)強力な救助組織の確立並びに労務、施設、設備、物資及び資金の整備に努めなければならない」。第23条、「救助の種類は、次のとおりとする。1.収容施設の供与、2.炊出しその他による食品の給与及び飲料水の供給、3.被服、寝具その他生活必需品の給与又は貸与、4.医療及び助産、5.災害にかかった者の救出、(略)」。一読して明かなとおり、災害救助の責任者は県知事であり、知事には上の1-5を遂行する法律上の義務と責任がある。果たして、東北3県の3知事の一週間の行動は、この法律に照らして適切で妥当だったのか。テレビが知事を放送に出さないのは、災害救助法の義務違反という法的責任の問題が浮上するからだろう。私はそう疑っている。厚労相も、災害発生より一度も会見がテレビ報道に出ない。この法律の第31条には、「
厚生労働大臣は、都道府県知事が行う救助につき、他の都道府県知事に対して、応援をなすべきことを指示することができる」とある。現在まで、細川律夫が石原慎太郎に対して、都から被災地に「県境なき医師団」を派遣要請したというニュースを聞かないが、第31条は義務ではないから無視してよいということか。