昨夜(3/30)のNW9を見ていると、またぞろ怪しげな原子力の専門家が登場し、排水口の海水に含まれているヨウ素131が法令基準値の3355倍の濃度である
問題を解説していたが、その原因については全く要領を得た説明をしていなかった。テレビに出る原子力工学や放射線医学の専門家の話は、西山英彦や枝野幸男の意味不明のゴマカシ会見を擦り、それをフォローし、コーティングしているだけで、解説として満足できる議論になっていない。そこには、自己の知識を動員した仮説の構築が試みられておらず、科学者としての良心や知性や責任感が寸毫も感じられない。政府当局の会見を要約して伝えるだけなら、サラリーマンの水野倫之の仕事で十分なのだが、政府当局のその場凌ぎの欺瞞と詭弁を抵抗なく信じ込ませ、国民の動揺を押さえ込むために、東大教授とか阪大教授の権威の肩書きを示威しているのだろう。彼らは学者ではなく官僚である。彼らの解説には、問題に立ち向かって推論と仮説を提示する営為がない。問題を捉えるべく概念化を試みて説明しようとしない。知っていることと知らないことを区別する率直さがない。
ウェーバーの言う「精神なき専門人」の腐り果てた窮極の姿。NHKに出て来る御用専門家に較べれば、3/29に報ステに出た東工大の者は、自分は専門の原子物理についてはコミットできるが、配管や水の問題まで説明できないと限定を付したが、そちらの方がまだ科学者らしい態度だったのではないか。