ようやく小沢一郎が辞任を発表。政治は長い時間を無駄に浪費して、新しい局面を迎えることになった。私は、3月下旬の大久保秘書起訴前の時点で辞任は不可避と予想してブログに記事を上げ、菅直人も続投は無理だから早く身を引いた方がいいと小沢一郎に諭したが、頑迷で権力への執着心が強い小沢一郎は決断ができず、周囲の忠告に素直に従えず、無意味に代表の座に居座って組織を混乱させ、党の支持者や関係者に迷惑をかけ続けた。最終的に辞任表明に至ったのは、党内で小沢降ろしの動きが広がり、このまま選挙前まで引っ張ることが不可能だと判断できたからである。先月下旬には地方行脚まで再開し、政権交代するまでは辞めないと強気を言い張っていたが、その言葉をあっさり裏切って、結局は辞任に追い詰められた。3月の時点ですぐに決断して辞めていれば、二階俊博の閣僚辞任に持ち込むことができ、政治とカネの問題の政局で民主党がアドバンテージを握ったまま、それを争点にした総選挙に縺れ込ませる戦術も可能だった。辞任を無用に遅らせたために、党に与えた損害は測り知れないほど大きく、西松事件は民主党の票を減らすだけの顛末となっている。