民主党の代表選がニュースになって、もうかれこれ2週間が経つけれど、政策論争どころか候補者の顔さえ固まらないうちに、6日後には投票という日程になった。国民をバカにした話だ。菅降ろしが決まった後、野田佳彦、馬淵澄夫、小沢鋭仁、樽床伸二、海江田万里、鹿野道彦、平岡秀夫の7人が次々と手を挙げ、浮薄な乱戦模様が極まって行ったが、投票日を1週間後に控えて、今度は手を挙げた者たちが続々と出馬の撤回を始めている。まさに冗談のような代表選で、一国の首相を決める選挙とはほど遠い軽さと国民不在に呆れ返る。名前が挙がった中で、自らの政策構想を国民の前にコミットした者は一人もいない。「私はこれをやりたい」と政見や抱負を語り、国民に支持を求めた者は一人もいない。Webサイトに公約を掲げて世に問うた者も一人もいない。最初に、野田佳彦が増税路線と大連立を言い出し、自公に秋波を送ったが、これを見た他の連中が批判を始め、党内に不評で代表選に不利となると、野田佳彦は途端にトーンダウンして曖昧に逃げた。1週間後には、最大派閥の小沢派の票がカギだという話になり、小沢詣での段となり、マスコミの小沢叩きが始まり、ようやく本命の前原誠司の出馬となった。要するに、執行部(主流派)にとって菅降ろしと野田後継はセットであり、官僚と自公にオーソライズされた計画であり、代表選もそれで難なく通過できると踏んでいたのだ。