週末のテレビはTPPの問題一色だった。マスコミは賛成派と反対派を登場させ、それぞれの論理を紹介している。一見、対立する二つの立場があり、両方の主張と利害が納得的であるかのように思わされるが、注意してよく見ると、気づかされる事実がある。それは、TPP反対派が言うデメリットは、国民の大多数に禍患と損害が及ぶ問題であり、一方、TPP賛成派が言うメリットは、国民の中の僅かな一部にのみ恩恵をもたらす効果だという点である。TPP推進派のプロパガンダ機関であるNHKのNW9は、その真実を巧みに隠し、TPPの利益が広く国民一般に及ぶものであるかのように演出するのだが、例証して説得することに成功していない。例えば、高品質米を輸出して商売しようとしているコメ農家に焦点を当てる報道である。農家の中にTPP反対派でない特殊事例がある事実は、これまでマスコミが何度も紹介してきた手口だが、これらは農家全体の何%なのか、という問題をマスコミは決して言わない。こうした一部の農家は、単に自分が儲けることだけを考え、テレビ取材が事業の宣伝になるから利用しているだけだ。新自由主義の政策を推進するときは、小泉改革のときもそうだったが、常に一部の者の機会メリットを全体の利益のようにマスコミが誇張し粉飾する。そして、全体のデメリットについて、
大田弘子のような嘘吐きが出て来て、「そんなことにはならない」と笑いながら頭から否定する。