昨日(6/6)の
報道によると、運転開始から40年を超える美浜原発2号機について、保安院が10年間の延長を許可する審査結果を示した。今年1月に細野豪志が出した40年廃炉の方針を否定する動きだ。先週(6/1)のブログ記事で、原子力村は運転期間を40年から60年に延ばしてくるだろうと推測したばかりだが、早くも実行に着手してきて、その素早さと世間の視線を顧みない厚顔に驚く。マスコミ報道は、今国会で原子炉等規制法の改正案が成立すれば、運転継続が再審査され、一から見直されるという見方で説明しているが、細野豪志が40年廃炉案を打ち上げたときも問題になったように、「原則40年」であり、改正案は例外の抜け穴を認めている。改正案の条文を書いているのは保安院の連中だ。法改正の付言は官僚の狡猾な弁解であり、世論を宥め欺く気安めにすぎない。
ブログ記事で指摘したとおり、40年の寿命で運用すると、現在
50基ある原発は次々と廃炉を余儀なくされ、18年後の2030年に現役で稼働している数は17基に減ってしまう。原発の電源比率15%を維持しようとすると、2030年までに最低14基の原発を新設しなくてはならないという計画になり、どう考えても無理な政策設計になるのだ。原発比率を15%にするには、40年廃炉という前提を変えなくてはならない。今回、原子力村は美浜2号機を40年から50年に延ばしたが、10年後の2022年には60年に延ばし、20年後の2032年には70年に延ばすだろう。