東京国立博物館の特別展「
書聖 王羲之」を見てきた。日中国交正常化40周年の事業で、1/22に始まって3/3まで開催されている。出展されている作品は全163点で、平成館2階の6つの展示室をすべて使った、予想した以上に大規模で本格的な内容だ。私は、このような王羲之の企画展をずっと心待ちにしていて、ようやく希望が実現し、我が意を得た思いで感無量だ。私は「蘭亭序」の拓本を所有している。28行を見開き5面・10頁に綴じた原寸大の折帖で、西安を旅したときに碑林博物館の売店で手に入れた。私にとって貴重な一品。北京の故宮を歩いたとき、案内されたコースに養心殿西暖閣の三希堂が入っておらず、見逃してしまった痛恨は
7年前に書いたが、その無念を晴らすべくと言うか、台北の故宮博物院4階にある三希堂へはしっかりと足を運んだ。台北の故宮博物院には「快雪時晴帖」が所蔵されている。私はそれがどうしても見たくて、せめてレプリカでもないかと現場の当直の職員にせがんだ。日本語の堪能な頗る可憐な研究員がわざわざ応対に出てくれて、何とも台湾的な暖かいもてなしを受けて感動したが、院内の常設展示には王羲之を始めとする書の至宝がほとんどなく、残念な思いをして帰った。書は傷みやすく、文化財保護の必要上、展示に供するのは無理なのだと言う。台北の故宮博物院は2007年に
リニューアルされ、4階の喫茶店の
三希堂もすっかり様変わりしたらしい。