昨日(1/30)の朝日のオピニオン面(19面)に、春闘についての山田久の論評が載っている。一昨日(1/29)、経団連と連合の間で春期交渉のスタートを告げる
トップ会談があり、夜のニュースと翌朝の新聞記事で大きく扱われ、賃金上昇が果たせるかどうかに関心と期待が集まるマスコミ報道がされていた。アベノミクスを翼賛宣伝する大越健介と古舘伊知郎は、今年は賃金も上がりそうだと言わんばかりに、このニュースを朗報として伝える口調が際立っていた。景気を上向かせて7月の参院選に勝ち、2Qの名目GDPを押し上げて消費税増税の根拠を得ようと目論む安倍政権は、景気対策に無我夢中で、春闘にも労働側の立場で口先介入する態度を示している。石破茂や麻生太郞が「200兆円の内部留保」を言い出し、労賃に回したらどうだと企業経営に注文する段となった。
共産党がずっと要求していた経済政策だ。腹の座った生粋の新自由主義者たちが、選挙(改憲シフト)と消費税のために心にもないことを口走っている。実際の結果がどうなるかは分からないが、この動きが政治圧力の演出として受け止められ、アベノミクスへの期待感を大衆の間に醸成し、政権の支持率を高める材料の一つになることは間違いない。一方、米倉弘昌の方は、年齢に応じて賃金が上がる定期昇給の廃止を目指し、この春闘で踏み込む強硬姿勢を見せている。