安倍晋三が日米首脳会談でTPP参加表明をするかどうかが焦点になっている。一部に、その場で参加表明という
情報も出ているが、会談後の3月に正式表明という見方が多い。12月の政権発足当時には、7月の参院選後とする予想が支配的だったことを考えると、かなり米国から圧力がかかり、日程が前倒しになったことが窺える。当初1月訪米だったのが2月に延期されたのは、このTPP参加問題を調整できなかったことが響いている。仕切り直しをして、3月の参加表明を前提にした会談で決着させたのだろう。自民党の中はTPP反対組が多く、議員は割れていて、民主党政権時代と似た様相を呈している。安倍晋三自身はTPP参加に賛成であり、側近やブレーンもTPP推進派で固めている。コメ、小麦、牛肉、乳製品、砂糖の
5品目を聖域として例外品目にするという具体的な案も出始めた。自民党内の反対派議員の数は233人、一方、賛成派の議員は35人。数の上では反対派が多いのだが、マスコミはこの
勢力比を報道で強調することなく、参加表明へ急ぐ政権やその背中を押す財界の動きばかり捉え、それを積極的にフォロ-している。議員は無視に近い。特に朝日とテレ朝がそうだ。また、民主党時代のように党内対立をクローズアップした報道もせず、TPP賛成は議論不要の定まった国論であるかのごとき態度で、全マスコミが一致して安倍晋三にTPP参加の決断を迫っている。