参院選で惨敗した民主党で、選挙後にすぐに政変が起こると予想を述べていた。右派がクーデターを仕掛け、左派の追い落としを図り、極右野党再編(維新+みん+民主右派)へ舵を切るだろうと。予想したとおりの動きが起きたが、中途半端に挫折し、世間の失笑を買うだけのショボい展開となって幕を閉じた。右派の狙いは、菅直人の除名追放と輿石東の参院会長からの引き降ろしだったが、両方とも失敗に終わった。床屋政談的に面白可笑しく解説すれば、このクーデターが未遂の茶番に終わったのは、岡田克也が日和見して右派と左派の中間に立ち位置を取り、菅直人の除名に賛同しなかったからだ。岡田克也が右派に与して強硬姿勢に徹すれば、民主党の内紛はもっと激しく続き、簡単に収束せず、分裂に至る権力闘争に発展したことだろう。右派のエネルギーが予想外に小さかった。その理由は、前原誠司が京都選挙区で共産を相手に手痛い敗北を喫し、大恥を晒す体たらくだったため、党内抗争の前面に出て陣頭指揮を執ることができなかったからだ。政界小咄の落ちを繋げれば、京都の共産のおかげで菅直人は破滅を免れ、首の皮一枚で党内にしがみつけたと言える。除籍処分が断行されれば、リベラル新党の騒動となり、新聞の政界面ネタになっていたことだろう。だが、間もなく始まる集団的自衛権の政局、それに続く9条改憲の正念場で、民主は再び党内が割れて内紛再開となるのは必至だ。