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2021-01-05 15:44:00
テーマ:
政治・経済
手塚治虫は60歳で世を去っている。1989年、胃がんだった。連載を抱えて激務で、生前の睡眠時間は平均4時間だったと言われている。85年にNHKの取材を受けたときは1-2時間の睡眠だった。ストレスを溜めながら無理を重ねていたのだろう。死の1年前の88年に倒れて胃の手術を受け、2か月間入院している。入院した自分を何かのマンガの中で描いていて、過労が原因だと説明していたような記憶がある。世はバブルの絶頂期。日本人はこれまで一度も豊かになったことはなく、有史以来常に貧乏で働きづくめで、身体を壊すまで働く生き方をしていたんだなあと、バブル経済の繁栄を横目に、そんな感慨と省察をしみじみと語っていた。NHKの番組の中では、おにぎりを頬張りながら、ときどき壁に向かって逆立ちしながら、うんうん唸ってページを描き上げていた。池袋に近い古いマンションで、一人で狭い部屋に籠もって締め切りに追われる過酷な日々を送っていた。「アイディアだけは、もうバーゲンセールしてもいいぐらいあるんだ」と言った、その言葉はよく覚えている。