朝日の昨日(4/29)の1面トップに、米国とフィリピンが新しい軍事協定に調印した
記事が載っている。米国は、海洋進出する中国を牽制するべく、フィリピンに再駐留する決定をした。新協定の骨子を見ると、(1)比軍合意の下、米軍による比軍施設の利用が可能、(2)米軍滞在のための施設建設も比軍敷地内で可能、(3)米軍の派遣場所、規模、頻度は別途協議、などの項目が並んでいる。22年前の1992年にフィリピンから完全撤退した米軍が、再び戻って部隊を駐留させることになった。
報道では、海軍のスービック基地と空軍のクラーク基地が拠点として重視されているとある。1986年の民主化革命の後、フィリピンは米軍の撤去一掃を実現し、憲法に外国軍駐留禁止の条項まで書き入れたのに、今回の新協定は何とも残念な事態だ。1995年、沖縄で米兵による少女暴行事件が起きたとき、20年前だが、当時のマスコミ報道は今よりずっと健全で、久米宏のニュースステーションが撤退後の米軍基地跡地の再利用を特集報道していたことがあった。両基地ともにフィリピン政府によって
経済特区に指定され、再開発事業が興され、海外からの企業進出を呼び込んで投資と雇用の拡大を実現してきた。沖縄もこうやって発展が可能なのだと、フィリピンを見倣うべきだと、当時のテレ朝やTBSの報道番組はフィリピンを取材してメッセージしていた。時間が経つと何もかも変わる。悪い方向に。