7/19の夜、NHK-Eテレで90分の丸山真男の特集番組が放送された。『戦後史証言PROJECT 日本人は何をめざしてきたのか 知の巨人たち』という長いタイトルのシリーズの、その第3回として制作されたものだ。先週(7/12)、第2回は鶴見俊輔の特集だった。EテレのETV特集は、2年前の2012年に『日本人は何を考えてきたのか』と題した全12回の大型シリーズを
放送したが、今回はその続きとなる戦後編の企画で、おそらく同じスタッフが担当している。第4回は司馬遼太郎が予定され、半年後の来年1月に後半の第5回から第8回があることが案内されている。番組の内容は、丸山真男の紹介としてコンパクトに纏まった良質なものだった。丸山真男について何も知らない者が見て、有益で参考になる情報であり、百科事典的な「丸山真男」の知識を提供するものである。そう評価できる。NHKが丸山真男について番組を制作するのは、死の直後の1996年11月に放送した『丸山真男と戦後日本』以来二度目のことで、18年ぶりの取り組みである。18年の歳月が流れているから、番組スタッフは代替わりしているに違いないが、今回の制作メンバーは、どうやら前作の『丸山真男と戦後日本』をかなりよく見ていて、前作と同じ趣旨と基調の作品に仕上がっていた。前作がよく反映されている。映像の登場人物にも前回と同じ顔ぶれが並び、基本的に同じ言葉で丸山真男の思想を説明した。