あれから1か月経ち、昨年のことになってしまったため、忘れてしまっている人も多いが、衆院選で共産党は
「五つの転換」というスローガンを言っていた。例の、脱力を誘う紋切り調のスタイルを全開にさせて、テレビに出る度に「五つの転換」のフレーズを連呼していた。中身は、(1)消費税10%への増税中止、(2)格差拡大の「アベノミクス」ストップ、(3)憲法9条の精神に立った外交戦略、(4)原発再稼働ストップ、(5)沖縄の米軍新基地建設を中止し、基地のない平和な沖縄へ、である。辺野古の新基地建設に対する反対を衆院選の争点の一つに取り上げ、特に大きく訴えていたのが共産党であったこと、あらためて確認するまでもない。(1)から(4)までの政策については、他の野党も若干は唱えていたが、辺野古の問題を主要な柱にして訴えていたのは共産党だけだった。選挙結果を見れば、その戦略が効を奏したということになり、沖縄だけでなく国民全体の中で辺野古への関心が高く、安倍晋三の政治と対決する側において、辺野古の問題が決定的に重要だったという総括を与えることができよう。であるならば、辺野古の基地建設反対を特に訴え、有権者から票を得て21議席を獲得した共産党は、他の党よりもこの課題を達成するべき責任が大きく、有権者から付託された任務を全うすべく第一に動かなくてはいけないはずだ。この立場認識と関係規定が、辺野古と共産党についての正論と言ってよい。