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2022-08-12 23:21:00
テーマ:
政治・経済
ペロシ訪台を機に起きた中国の軍事演習と台湾周辺の緊張について、客観的な立場からの報道や解説がない。テレビに出て発言するのは宮家邦彦や小野寺五典のようなグロテスクな右翼ばかりだ。日本のマスコミで公論化した中国叩きの口上を垂れ、中国との戦争のための準備を整えよと扇動する結論で終わり。不信と憎悪を刺激的に畳み込む準戦時モードの言説が流される。今週は、原爆の日(8/6・8/9)と終戦の日(8/15)の中間の日程で、本来ならこの国が最も平和主義の思想に包まれ、国民が反戦への誓いを新たにする時間帯だった。
一年中で最も暑いこの時期に、一年中でたった一度だけ、保守を含めた市民全体が憲法9条の理念に接近する。日本国の基本と原点について思い知る。ジブリ映画『火垂るの墓』が茶の間に流される。だが、今年は全くそうなっていない。10日に改造内閣を立ち上げた岸田文雄は、あろうことか新内閣を「有事に対応する政策断行内閣」と銘打った。有事とは、「戦争や事変など、非常の事態が起こること」の意味である。岸田文雄の「有事」が「台湾有事」を示唆しているのは明白で、中国との戦争に対応すると宣言している。