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2015-09-24 18:45:00
テーマ:
政治・経済
高橋哲哉の「靖国問題」の中で、「感情の錬金術」という問題が論議されたことがあった。戦死者を出した遺族の感情が、靖国の儀式による意味付与を媒介して悲しみから喜びへ、不幸から幸福に180度変わる、国家神道のイデオロギーによる観念倒錯の心理を説明した言葉だった。何やらそれと似たような精神状況が、安保法に反対した人々の間で横溢しているように見受けられる。政治戦に負けたのに勝ったと言い、崖っぷちに追い詰められたのに勝利を達成してバラ色の地平に立ったような、そういう言説がマスコミとネットを覆って踊っている。完敗を喫した側に敗北感がなく、虚脱感が寸毫もない。本来、これほど長い政治戦を戦い、エネルギーを投入し、勝てるはずの戦いを落としたのだから、もう少し挫折感や無力感がストレートに表れてよく、結果を深刻に受け止め、何が敗因なのだろう、どこで間違っていたのだろう、どうすれば勝てたのだろうと、真摯に総括と反省を始めないといけないところが、そうした本来あるべき営みの方向感覚が絶たれている。まるで日系ブラジル人の「勝ち組」のように、敗北を認めず、屈折した共同幻想に浮かれ、敗者が勝者のように振る舞っていて、精神をハイテンションに高揚させて自画自賛の昂奮に耽っている。「勝ち組」の言論に違和感を感じて小言を垂れた江川紹子は、逆に左翼によって袋叩きの目に遭った。