< 2024年11月 > | ||||||
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先週26日、東京から四国の限界集落に移住して失敗した男性と家族の件が報道され、ネットの中は一日中この話題で騒然となった。当日は他を圧倒してこの問題が関心の主役となり、ツイッターのトレンド欄に「移住失敗」と「限界集落」のキーワードが延々と浮上し続けた。ヤフーのリアルタイム検索のトレンドも同じ。記事を上げたのは朝日新聞である。何としてもネット配信の購読者(サブスク)を増やそうとする朝日の思惑と鋭意が透けて見える戦略的な投擲だったが、朝日の狙いどおり、朝からネット界隈の井戸端はこの問題一色となり、日が暮れるまで熱を帯びた侃々諤々の時間が流れた。朝日は地名等を匿名にして伏せていたが、すぐに愛媛新聞の記事が掘り出され、新居浜市別子山で起きた事件だと判明する。(写真は朝日新聞)
朝日の記事に添えられた2枚の山間地の写真は、私にとっては幼少期の原風景そのものであり、とても他人事とは思えず、井戸端の群衆を搔き分けるように渦中に入り込み、検索エンジンを誰よりも強く押し回し、事情を確認して真相を推測する作業に没頭するところとなった。最初にまず言いたいことがある。それは、この事件に対する井戸端俗衆のシニカルな見方に対する違和感だ。すなわち、最初から限界集落への移住など試みるのは無理で、能力的に無謀で、県庁所在地あたりにしておけば成功できたのにという醒めた見方である。この感想が「正論」として固まっている。この俗論が多数意見として支持を受け、この問題への一般的世評として定着している現状がある。私はこの愚論の風靡に抵抗を覚える。衆愚的な、低俗で間ぬけな「理解」だと苛立つ。
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