京都競馬場6日目11R
第117回
京都記念
芝 2200m/GⅡ/4歳上/国際/別定
昨年はドウデュース、3年前はラヴズオンリーユー、4年前はクロノジェネシスが制したレース。
いずれもここを勝って春先のGⅠへのステップとして位置付けていた(ドウデュースはドバイで出走取消)。
近3年こそ京都競馬場の大規模改修により阪神開催。
外回りコースの京都と内回りの阪神では求められる適性もベクトルが変わっていた感は否めないが、いずれにしても、既に実績がありながら春の大舞台を目指す馬が出ていたということ。
それに対して、今年に関してはやや小粒な感は否めないが、「勝って大阪杯へ」といった展望を描いている陣営もいるようだ。
傷んだ京都の芝の適性も含めて、どの馬が春へ向けて弾みをつけるだろうか。
2枠2番
ブレイヴロッカー
牡4/56kg
酒井学/本田優
騎手厩舎連対率:7%
京都芝:1-0-1-1
芝2200m:1-0-1-0
最高タイム:2.12.1
《期待値55%》
2連勝でオープン入り。本来は1週前の小倉日経オープンを予定していたそうだが、かなり馬場が悪くなることを考慮してスライド。
オープン昇級初戦にしてGⅡと一気にレベルは上がる。
「この相手にどこまでやれるか」とは陣営だが、この連勝も「以前と比べて精神面の成長がレースに繋がってきた」ことが要因。決して恵まれて勝ってきたわけではないと捉えられている。
向き不向きが出る京都の下り坂も得意。相手関係はあまりに違うが、相性のいい京都で試金石の一戦になる。
3枠3番
プラダリア
牡5/58kg
池添謙一/池添学
騎手厩舎連対率:30%
京都芝:1-0-0-0
芝2200m:0-0-2-2
最高タイム:2.11.5
《期待値65%》
有馬記念は14番枠という不利な条件。それでも積極的に位置をとって進めたが、粘りを欠いて失速してしまった。
それにしてもGⅠで実績がないとはいえ、負け過ぎにも映るが「競馬場についてから飼い葉を食べてくれず、パドックでもチャカついていました」と陣営。
本調子で臨めなかったようだ。
今回は1Fの違いこそあるが、2走前に重賞を制した京都に戻る。
もともと調教と実戦が直結しやすいタイプでもあり、最終追い切りに跨った調教師も「乗っていて気持ちいいくらいの動きだった」と好評価だった。今の京都の馬場も歓迎しており、前走のようなことはないムード。
5枠5番
ベラジオオペラ
牡4/57kg
横山和生/上村洋行
騎手厩舎連対率:37%
京都芝:未経験
芝2200m:未経験
最高タイム:未経験
《期待値65%》
チャレンジCでは夏負けが尾を引いて菊花賞に向かえず、初めての古馬との対戦。
末脚勝負に徹したダービーから一転、スローペースを正攻法の形で立ち回りの良さを活かした。
「前走はいい内容だったと思います。先週、しっかりやったので今週は疲れを残さない程度。抜群の動きだったと思います」とは上村調教師が語れば、最終追い切りをつけた横山和生も「かなり気が入っていて抑えるのが大変なくらい。状態自体はいいですよ」とデキの良さを強調。
「前走は成長分もあったが(馬体重プラス20キロ)、間が空いた中でよく勝ってくれた」と厩舎スタッフが語るように、前走より臨戦過程がいいのは明らかである。
「まだ完成途上」とは鞍上も調教師も認めるところ。それでも「これから古馬の一線級と戦うためにも、しっかり結果を出したいレース」と意欲。
陣営にとっては共同通信杯と同一馬主、同一厩舎による東西重賞制覇も懸かる週末でもある。
7枠9番
ルージュエヴァイユ
牝5/55kg
松山弘平/黒岩陽一
騎手厩舎連対率:28%
京都芝:0-1-0-0
芝2200m:0-1-0-0
最高タイム:2.12.7
《期待値65%》
4歳の昨年は未勝利にこそ終わったが、3戦連続重賞で2着。エリザベス女王杯でも健闘。フットワークの大きな馬で伸び伸び走れる形であれば力を発揮できる。
厩舎スタッフも「昨夏から秋にかけて成長していたし、今はさらに充実してきたように感じます」とムードは明るく、調教師も「調教を進めるごとにバランスが整い、右にモタれる面が解消しつつある。古馬になって体質がしっかりしてきた」と変化を口にしている。
少頭数も歓迎で今の京都の芝にも適性を感じている。結果次第では大阪杯という目標もあるそうで、「今年は大きいところを獲りたい」と目指す一年。好発進となるか。
8枠11番
マテンロウレオ
牡5/57kg
横山典弘/昆貢
騎手厩舎連対率:21%
京都芝:0-0-0-1
芝2200m:0-1-0-1
最高タイム:2.11.5
《期待値55%》
阪神開催ではあったが、昨年の2着馬。以降は3着以内に入れていないが、前走に関しては「とにかく不利が多かった」と不完全燃焼。
序盤から中盤、直線を向いてからと不利が続いた。それでも前回から試したチークPの効果はあったようで、今回も「状態はいい」とのことで巻き返しが期待される。
しかし「スピードを活かす馬場がいいタイプ。今の馬場はどうか、だね」というやや慎重なコメントも。というのも、普段から強気な厩舎がこんな発言をするには、2走前に先着された勝ち馬(ベラジオオペラ)らとの力差を感じている様子。