１１月１２日（日）に行われるエリザベス女王杯のレース展望です。

前走勝ったディープインパクト産駒の古馬は次走のＧ１を勝てない傾向がある。

ヴィブロスは前走府中牝馬Ｓ２着。

スマートレイアーは前走京都大賞典１着。

スマートレイアーは７歳馬で高齢馬不振のデータもある。

ただし前走の京都大賞典は牡馬相手に強かった。

このあたりをどう考えるか？

３歳馬と古馬が争う女王決定戦。過去１０年の１番人気は［２－４－２－２］で６連対。単勝１倍台は［１－２－１－０］、２倍台は［１－０－１－０］、３倍台は［０－２－０－２］で単勝１、２倍台なら複勝率１００％。２番人気は［１－２－３－４］で３連対、３番人気は［２－１－０－７］で３連対。１１－１２番人気で大波乱になった０９年を除き３番人気以内が連対している。最近５年の馬連は１７倍、２７倍、９倍、１８倍、１３７倍。昨年は１２番人気のシングウィズジョイ（ルメール騎手）が２着に粘り大波乱になった。

連対馬１３頭にＧ１連対、３頭にＧ２またはＧ３勝ちがあった。牝馬の一線級が揃うため、Ｇ１実績馬を最重視。これらがない４頭のうち３頭が渋った馬場、残る１頭が大逃げだった。馬場が渋ると荒れる傾向がある。年齢別では３歳［４－４－３－３６］、４歳［４－３－６－４２］、５歳［２－２－０－４３］、６歳［０－１－１－１２］、７歳以上［０－０－０－５］で３、４歳馬が活躍している。人気の３、４歳馬が勝つことが多い。６歳馬は１連対のみ。７歳以上は３着以内がない。６歳以上の高齢馬は不振が続いている。

ヴィブロスは昨年の秋華賞馬。今年は中山記念で５着に終わったが、次走ドバイに遠征しドバイターフではモレイラ騎手が騎乗し、中団から差し切って優勝。休み明けの前走府中牝馬Ｓは内ラチ沿いの６番手からメンバー３位の３３．２秒で伸びてクビ差の２着。逃げ切ったクロコスミアより２キロ重い５６キロを背負っていた。距離は２０００ｍまでしか経験がないが、全姉ヴィルシーナはオークス＆エリザベス女王杯２着馬、半兄シュヴァルグランは天皇賞(春)２着馬。小柄な馬だけにフルゲートで揉まれて不利を受けなければ。過去１０年のエリザベス女王杯でルメール騎手は［１－２－１－４］。０８年に４番人気のリトルアマポーラで制している。

スマートレイアーは京都記念で４番手からメンバー３位の３４．８秒で伸びて２着。ヴィクトリアマイルは４着に終わったが、鳴尾記念では５番手からメンバー最速の３３．６秒で上がってクビ差の２着。前走京都大賞典は後方から内を突いてメンバー最速の３３．４秒で差し切り２分２３秒０で優勝。距離を延ばして一気にパフォーマンスを引き上げた。国内の牡馬混合戦は［５－２－０－１］、牝馬限定戦は［４－３－２－９］。エリザベス女王杯は１４年が１０着、１５年が５着。京都は［１－２－０－２］、阪神は［６－１－０－２］で阪神の方が得意だが、前走京都で最速上がりで勝っただけに侮れない。７歳牝馬だが、今が充実期。武豊騎手が調教で落馬負傷したため、川田騎手に乗り替わる。

前走オールカマーを勝ったルージュバック、昨年の勝ち馬クイーンズリング、同３着馬ミッキークイーン、秋華賞馬ディアドラ、同２着馬リスグラシュー、同３着馬モズカッチャン、前走府中牝馬Ｓを勝ったクロコスミア、ヴィクトリアマイル２着馬デンコウアンジュ、同３着馬ジュールポレール、マーメイドＳ勝ち馬マキシマムドパリなど。ルージュバックは前走オールカマーで内ラチ沿いの４番手からメンバー７位タイの３３．９秒で抜け出して優勝。これまでは外から差し切るレースが多かったが、内から捌いて抜け出した。スローの上がり勝負で勝ちタイム２分１３秒８は平凡。叩き２戦目は［０－０－０－５］は気になるが、ムーア騎手に乗り替わる。

クイーンズリングは昨年のエリザベス女王杯を中団の内からメンバー最速の３３．２秒で差し切って２分１２秒９で優勝。今年は１５、６、４着と精彩を欠いている。Ｍデムーロ騎手からＣデムーロ騎手に乗り替わる。ミッキークイーンは１５年のオークス＆秋華賞馬。有馬記念５着、宝塚記念３着と牡馬の一線級相手に善戦している。牝馬限定重賞では［３－４－１－１］、牝馬限定Ｇ１では［２－１－１－１］。宝塚記念３着以来となるが、どこまで仕上げてくるか。相手なりに堅実に走るタイプ。ディアドラは１０００万、紫苑Ｓ、秋華賞を３連勝。不良馬場の秋華賞を勝った反動がないことが条件。神騎乗をしたルメール騎手から岩田騎手に乗り替わる。

リスグラシューは阪神ＪＦ２着、桜花賞２着、オークス５着、秋華賞２着。前走秋華賞は外を回っていい脚を長く使って０．２秒差の２着。小柄な馬だけに斤量１キロ減はプラスだが、距離１Ｆ延長がどう出るか。テン乗りの福永騎手が騎乗する。モズカッチャンは秋華賞で好位から早めに抜け出して０．２秒差の３着。Ｍデムーロ騎手は右前脚の落鉄があったとコメント。オークス２着馬で距離は守備範囲。３戦連続でＭデムーロ騎手が騎乗する。ジュールポレールは阪神牝馬Ｓとヴィクトリアマイルで３着に入った。サダムパテックの半妹。芝２０００ｍまでしか経験がなく、５６キロも初めて。過去１０年のエリザベス女王杯で幸騎手は［０－０－０－５］。好位の内でタメれば、追って味のあるタイプ。

ＷＡＫＵＷＡＫＵ競馬道場
競馬アナリストＧＭ