<事後公開>
■調教診断
■[7-]キタサンブラック
栗CWで2頭併せで馬なりのまま併入。1週前に一杯に追って土曜にも時計を出している。馬体、気配は落ちていない。一連のデキをキープ。
■有力馬診断
■[7]キタサンブラック 1着(1位評価)
今年は大阪杯を4番手から早めに進出してメンバー7位の34.3秒で抜け出して1分58秒9で優勝。天皇賞(春)は2番手から早めに先頭に立ち、メンバー4位タイの35.3秒でまとめて3分12秒5のレコードで優勝。宝塚記念は先行して直線で一杯になり1.3秒差の9着。外枠スタートから終始外を回り、ラスト6Fから11秒台のラップが5F続いたことが堪えている。G1を2連勝し、前走天皇賞(春)がレコードだった影響もあるか。天皇賞(秋)は出遅れたが、内から追い上げて早め先頭からメンバー最速の38.5秒で後続を完封して優勝。前走ジャパンCは逃げて直線で後続を引き離したが、2頭に差されて0.2秒差の3着。最後に脚が鈍ったのはレース中に左前脚を落鉄した影響か。引き際を大事にする北島三郎氏は有馬記念でラストランVを飾るのが最大目標。そのためジャパンC前の調教では攻めておらず、余裕を残した仕上げだった点は見逃せない。
中山では[2-1-2-0]で3着以内を確保。これまで芝2400m以上では[5-1-2-1]で右回りでは[4-1-1-0]で2、3着に負けたのは有馬記念で15年が0.1秒差、昨年がハナ差。15年は菊花賞を勝った直後に古馬初対戦、16年は3コーナー手前でサトノノブレス(同馬主のサトノダイヤモンドのアシスト)に外から来られて早めにスパートさせられたことが堪えている。3戦連続G1は惨敗した宝塚記念と同じだが、春は3戦とも仕上げて勝ちに来たが、秋はジャパンCで仕上げに余裕を持たせている。春と同じ轍は踏まないように陣営は考慮して調整しているのである。休み明けは[4-1-0-0]、2戦目は[4-0-1-0]だが、3戦目は[0-1-2-1]で未勝利。ただし今回は叩き2戦目で本来勝つべきジャパンCで仕上げに余裕を持たせている。不良馬場の天皇賞(秋)で激走した点が気になるが、今のところ反動は見られない。
緩い流れでラスト4Fを11秒台でまとめるのが勝ちパターンだったが、前走ジャパンCでは逃げて道中の最も遅いラップが12.3秒でラップの大きな落ち込みがなかった。昨年のジャパンCでは中盤に12.5-12.7秒に落としている。これは有馬記念で大きくラップを落とさずに来るなら来てみろといったレースをするための布石なのではないか。昨年の有馬記念は中盤に13.4-12.8-12.9秒と流れが緩み、ラスト5Fから11秒台のラップが刻まれて最後に甘くなって2着に負けた。今年は逃げてラップを落とさずに進めることでラスト5Fの上がり勝負にぜす、スタミナと底力勝負にして粘り込みを狙うのではないか。仕上げに余裕を持たせ、直線の長い東京のジャパンCで落鉄があって0.2秒差の3着。小回りで直線の短い中山なら粘り込めると武豊騎手は手応えを掴んでいる。スタミナ、体力、底力が最上位。好枠から逃げてラストランVがある。
■[6+]スワーヴリチャード 4着
2走前のダービーは内ラチ沿いの7番手から直線で外に持ち出してメンバー3位タイの33.5秒で伸びてレイデオロに0.1秒差の2着。スローの上がり勝負で走破タイムが2分27秒0。レースレベルは高くないが、勝ったレイデオロは神戸新聞杯を2馬身差で圧勝(2着キセキは菊花賞優勝)し、ジャパンCで0.2秒差の2着に入り、キタサンブラックにクビ差先着した。前走AR共和国杯は内ラチ沿いの7番手からメンバー最速の35.0秒で抜け出して2馬身半差で圧勝。勝ちタイム2分30秒0は優秀。Mデムーロ騎手は直線で鞭を入れておらず、最後は流す余裕があった。ダービーの走破タイムは遅かったが、ジャパンC2着のレイデオロと同様に一気にパフォーマンスを引き上げた。中盤に12秒台のラップが続いたが、最も遅いラップが12.3秒。ラスト5Fは11.8-11.8-11.9-11.6-12.1秒。4F11秒台のラップが続いている。
AR共和国杯(芝2500m)の勝ちタイムから中盤の12.3秒の約半分の6.1秒を引くと2分23秒9。これはジャパンCのレイデオロ、キタサンブラックと同タイム。開催時期、メンバーが違うため、正確な比較はできないが、休み明け、古馬初対戦でこの時計で走って楽勝したことを評価したい。得意の左回りのジャパンCを使わず、敢えて右回りの有馬記念に絞り、Mデムーロ騎手を確保している。AR共和国杯で余力を残して勝ったことで最終調教を見る限り、さらに調子を上げている。左回りは[2-2-0-0]、右回りは[1-1-0-1]で皐月賞のレースぶりを見る限り、右回りに課題があるのは事実。心身ともに成長した今ならこなしてもおかしくないが、Mデムーロ騎手の腕による部分が大きくなる。過去10年で3歳馬は1番人気[3-1-0-0]、2番人気[1-0-0-0]で連対を確保しているが、5頭は全て3歳G1を勝った馬だった。
スワーヴリチャードはG1馬ではない。本来はレイデオロが2番人気だが出走がないためスワーヴリチャードが2番人気に支持されている。11年以降の有馬記念で11番枠より外から3着以内に入った馬は、ゴールドシップ1、3、3着(13、14、14番)、キタサンブラック3着(11番)、サトノダイヤモンド1着(11番)で3頭とも菊花賞馬。スワーヴリチャードは14番で長距離G1勝ちはない。ハーツクライ産駒は東京芝G1では[5-3-2-32]で5勝を挙げているが、東京以外では[0-14-5-69]で勝ったことがない。中山芝G1は[0-1-0-15]で2着は13年有馬記念のウインバリアシオン。ただしハーツクライは有馬記念でディープインパクトを破って勝っている。ハーツクライ産駒が不利な外枠、得意ではない右回りを克服できるかどうか。Mデムーロ騎手の腕に懸かっている。AR共和国杯のラップから先行して真向勝負か。
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調教診断は7頭、有力馬診断は2頭を取り上げています。
有力馬診断では狙える理由を長文で詳しく解説しています。
上位人気馬から2頭をピックアップして詳しく分析しました。
予想コメントでは簡略化するためここまで詳しく書きません。
狙える根拠、リスク&死角などの詳細を知っておきたい方は
ぜひ「調教診断&有力馬診断」をご覧になってください。
穴馬は予想で取り上げます。
今年は3歳と4歳のG1馬が出走していませんね。