ルガルは7枠13番から3番手につけ、メンバー11位の34.2秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分7秒0。ピューロマジックが大逃げして前半3F32.1秒のハイペース。上がりは34.9秒、ラップは11.0-11.6-12.3秒。最後にラップが落ちて2、3着に差し追い込み馬が突っ込んだ。ルガルはスタートを決めて離れた3番手につけ、直線で早めに抜け出してそのまま後続を完封した。最後は内と外から迫られており、西村騎手が勝負どころで早めに動いて勝ちに行ったことがプラスに働いた印象。大逃げする馬がいて隊列が縦長になると2、3番手につけた馬が雪崩れ込むことが多いが、そのパターンになった。
シルクロードSを2番手から抜け出して3馬身差で圧勝し、高松宮記念で1番人気に支持され、レース中に骨折して10着に終わったが、骨折明け、9番人気で巻き返した。今年は皐月賞を取り消したダノンデザイルがダービーを勝ったり、福島牝馬Sで競走中止し骨折したシンリョクカが新潟記念を勝ったり、評価を下げたくなる馬がいきなり結果を出す傾向がある点に注意したい。ルガルは最終調教の動きも良かったが、パドックでも雄大な馬体が目立ち、バランスも良く、久々を感じさせなかった。少し荒れてきた馬場も合っていたのだろう。次走は未定。海外遠征が視野に入る。
トウシンマカオは1枠2番から内ラチ沿いの7番手を進み、直線で内からメンバー3位タイの33.5秒で上がってクビ差の2着。1枠に入ったため一発狙いで内を突いたが、直線で内がガラ空きになりスムーズに捌いてくることができた。勝ったルガルの上がりを0.7秒上回っており、結果的にもう1列前につければ際どいレースになっていた。前走左回りのセントウルSを勝ったようにここにきて地力が強化され、ようやくG1で通用するレベルに到達した。短距離で活躍が目立つビッグアーサー産駒。芝1200mで菅原騎手では[2-1-0-0]で好相性。
ナムラクレアは12番手からメンバー最速の33.2秒で追い込んでクビ+クビ差の3着。前半ごちゃついて位置取りが悪くなり、4コーナーから直線で外に出すと強烈な末脚で伸びてきたが届かなかった。中団あたりにつけてロスなく進めていれば、差し切っていたかもしれない。横山武騎手がテン乗りだった影響もあるのだろう。近走は重い馬場で走ることが多かったが、高速決着に対応して最速上がりを繰り出したことを評価したい。これでスプリントG1は[0-2-2-1]。スプリンターズSは2年連続3着だが、昨年よりレベルの高い走りをしている。
ママコチャは5番手からメンバー10位の33.9秒で上がって0.1秒差の4着。離れた5番手から早めに仕掛け、前を追って最後までしぶとく伸びたが、前を捕まえるところまで行かなかった。休み明けをひと叩きされたが、パドックでは馬体、気配が少し地味に映った。昨年は北九州記念から中5週だったが、今年は中2週。叩いた上積みというより、調教を見ても調子を保つのが精一杯だったか。それで勝ち馬とは0.1秒差。スプリント能力は高い。
サトノレーヴは躓くようにスタートして道中8番手を進み、勝負どころで外から押し上げ、メンバー9位の33.8秒で上がって0.4秒差の7着。本来はスタートが早く楽に好位につけられるタイプだが、出遅れて位置取りが悪くなったことが堪えた。ガツンと切れるタイプではないため、外を回って差すレースでは厳しい。前走16キロ増えた馬体がさらに4キロ増えていたが、パドックでは馬体の造り、気配とも目立っていた。相馬眼的にG1で勝ち負けできる馬。今回7着に負けたため大きなことはいえないが、海外遠征が視野に入る。