今年は全部で5回、湯浅誠の講演を聞く機会があった。
1/15の派遣村報告集会(神田)、
3/28の反貧困フェスタ2009(神田)、
4/13の派遣法改正集会(日比谷)、
7/31の反貧困選挙前集会(お茶の水)、
9/27の社会保障基本法集会(新宿)。湯浅誠の話を初めて聞いたとか、初めて湯浅誠と酒を飲んだという地方にお住まいの人の声を屡々耳にするけれど、東京に暮らす便益を感じさせられる。その気になれば、おそらく10回以上は湯浅誠が顔を出す集会に参加できていただろう。まるで韓流ドラマの美男俳優を追っかける山の手の中高年女性のように。年末年始の派遣村運動の盛り上がりの後、特に1月2月の湯浅誠はマスコミに引っ張りだこで、貧困問題や社会保障を特集したテレビ番組にゲスト出演し、新聞や週刊誌にインタビュー記事が大量に掲載された。今年10月には民主党政権の内閣府参与に起用され、まさに時代の寵児となっている。2月頃に載った週刊誌の記事だったと記憶するが、湯浅誠が記者の質問に答えて、「自分は政治家にはならない」という旨の発言をして、ネットでも話題になった出来事があった。雇用対策の実践家として政府に登用された身上というのは、十分に「政治家」と呼べる立場だと思うが、私は別に湯浅誠の前言翻覆を論う意地悪を言いたいのではなく、むしろ逆で、反貧困の要求を政策実行できる権力を着実に身につけている現在の姿勢を積極的に評価したいのである。