気象は春の嵐が吹き荒れたが、政治の方はそうはならなかった。膠着状態という感じになった。官邸と検察は、連日、怒涛のようなリーク作戦の波状攻撃をかけ、小沢一郎側の容疑の「新事実」を報道で騒がせ、世論に揺さぶりをかけて小沢一郎の首を取ろうと必死なのだが、検察の思うような成果は今週は上がらなかった。先週末、民主党の議員たちは、「新しい事実が出てきたら代表辞任もやむを得ない」という態度が大半で、ハーフウェイの洞ヶ峠の状態にあり、週初に発表された報道機関の世論調査の結果で大いに動揺したはずだったが、蓋を開けてみれば、3/10の常任幹事会で小沢一郎の代表辞任を要求する声はなく、また、そうした民主党内の姿勢を批判する強い世論は起きなかった。小沢一郎の説明に納得せず代表辞任を求める世論が強まる一方で、漆間巌の捜査関与への疑念や検察の捜査の不公正に対する反発の世論も高まり、両者の波が鬩ぎ合って物理的に拮抗する形になったからである。否、むしろ全体的には検察不信の世論の方が勢いが強くなっている状況にある。