小沢一郎の代表辞任で流れが固まったかに見えた政局が、例の政府高官の発言の一件で再び揺り戻しが始まり、情勢は混沌として行方が定まらなくなってきた。週末の政治番組も小沢叩きの狂騒ショーになるかと想像したが、どうやら状況の変化を受けて自民と民主の両方にバランスを取る演出と報道に転換した気配が見られ、田原総一朗の
番組では田中真紀子が生出演する企画が組まれている。当然、そこではロッキード事件の「不当捜査」が槍玉に上げられ、検察ファッショを糾弾する豪快な真紀子節が炸裂して視聴率が稼がれるところとなるだろう。田原総一朗と田中真紀子のユニゾンによる検察ファッショ批判の大合唱になると思われる。週末に調査して週初に発表する予定のマスコミの世論調査も、政情の変化を受けて設問そのものを設計変更せざるを得なくなった。小沢批判の民意だけでなく、検察批判や自民党批判の世論が反映された調査結果が出るように修正される。この世論調査の報道で小沢一郎が窮地に立たされると予想されたが、その事態は避けられたと見てよいだろう。