派遣村オールスターズは、現在の日本の希望の星であり、私が彼らを信頼しないとか絶望したとか言う気は一切ないけれど、私の中に疼いている微かな不満と不安を言えば、「問題は政治によってでしか解決できない」という認識が彼らの中に薄いのではないかという点に尽きる。もう少し積極的に政治にコミットをして、衆院選という機会で政治を一転させ、立法府と行政府の権力機構の性格を変え、貧困や派遣の問題を一気に解決するというアグレッシブな野心を持ってもよいのではないか。その野望と戦略を国民の前に明らかにして、経団連側と乾坤一擲の真剣勝負に突入する構えを見せてもよいのではないか。英雄たちは、鶴見俊輔的な意味でのエリートならば、その政治戦に命を賭ける決意をしてもよいのではないかという思いである。派遣法は法律なのだから、立法府を変えなければ、われわれが目指す法改正は果たされない。法律が変わらなければ制度は変わらず、派遣雇用社会のレジームを破砕することはできない。逆に選挙という政治戦で負ければ、労働法制はさらに規制緩和が進み、解雇自由になり、外国人労働者の無制限輸入やWCE導入が招来される。