4/10に放送されたNHKの『象徴天皇-素顔の記録』のアンコールを見た。番組の最初に出てきた海岸を背景にした二人の映像がとても印象的で、この絵は、最後に桜井洋子が解説していたときも使われていたが、本当に美しく素晴らしい。両陛下は老境にあってさらに仲睦まじく、理想の夫婦の完成の姿を見せている。世界の元首の中で、これほど夫婦仲がいい例は他にないだろうし、世界史的にも稀有だろう。それはまさに、現在の日本人の理想の姿であり、日本人の理想を具現化して世界に見せている。二人が互いを心から信頼し合い、尊敬し合っていることは、誰の目から見ても分かる。それはカメラを意識した撮影の挙措と言動ではあるけれど、それを超えた崇高で神聖なものが確かにあることがわれわれには分かる。二人は互いに互いの努力を讃え合っていて、ここまで二人で築き上げてきた幸福を喜び合っている。両陛下は憲法1条を守り、忠実に憲法1条の象徴天皇の理念に身を合わせてきたが、その結果、憲法を超え、夫婦の理念まで具現化することになった。それは、高齢化社会に生きる現代の日本人の全てが持つ理想だ。