テレビで選挙に向けた激しいイデオロギー戦が展開されている。と言うより、経団連側からの一方的で攻撃的なプロパガンダが政治番組の視聴者にゲリラ豪雨のように集中散布されている。昨日(7/26)のテレ朝「サンデープロジェクト」で行われた労働者派遣法改正に対する反動プロパガンダも凄まじかった。報道の中立性など最初から寸毫もなく、選挙後に与党となる現野党が取り纏めた改正案に対する糾弾が、田原総一郎と財部誠一と城繁幸によって徹底的に加えられるだけの内容になっていた。スタジオに揃えた与野党の出演者は名目に過ぎず、現に与野党間での派遣法の討論場面は全くと言っていいほどなかった。自民党の石原伸晃と公明党の石位啓一はただ座っているだけで、討論の応酬は田原・財部・城のサンプロ側3人対野党4人の間で行われているのである。問題提起を田原総一朗がして、主張は財部誠一がやり、民主党の松本剛明が反論を始めると途端に田原総一朗が遮って最期まで議論をさせず、財部誠一に振って反論をさせ、城繁幸に纏めさせる。番組が視聴者に示した討論の結論は、①派遣法改正をすれば日本の製造業は完全に空洞化すること、②派遣法改正は日本経済にとってカントリーリスクであること、③非正規労働者が増えた責任はすべて連合にあること、だった。