政治がどんどん悪い方向に向かっている。静岡県知事選に当選した川勝平太がどのような人物か、何も知らない者でもネットで一寸調べれば簡単に情報を得られる。川勝平太の勝利を熱狂的に歓喜しているのは、平素は護憲を言い、産経新聞や読売新聞の論説を蛇蝎の如く嫌悪し罵倒しているブログ左翼である。川勝平太が「正論」や「諸君」の常連文化人であり、「新しい歴史教科書をつくる会」の論客であり、極右と定義すべき危険思想の持ち主で、「美しい国づくり」プロジェクトの
企画会議委員を務めた安倍晋三の側近である事実を知らない人間はいないだろう。私の理解では、ブログ左翼が最も忌み嫌っている政治家が安倍晋三だと思っていたが、左翼が
安倍晋三ブレーンの政界進出に涙を流して随喜している。それも、ほぼ例外なく全員のブログ左翼が一列に整列して、北朝鮮で金正日に花を振る女たちのように全身を震わせて安倍晋三の参謀の選挙戦勝利に歓喜の叫びを上げている。川勝平太の理論や主張は中西輝政や八木秀次と全く同じだ。過激な右翼で新自由主義の知識人は何人かいるが、その中でも川勝平太は屈指の一人と言っていい。この倒錯きわまる政治的現実を苦々しく思い、眩暈がする気分で見ているのは、残念ながら私一人しかいない。