本日(8/27)の朝日新聞には、民主党が320議席を獲得するという選挙情勢が一面に出ているが、それ以外に、非常に注目すべき選挙関連の特集記事が国際面(11面)に載っている。3人の内外の国際政治の専門家による衆院選に対する論評が紹介され、その中の、特に住沢博紀(日本女子大・政治学)とジョエル・ルジャンドル(仏RTL日本特派員)の二人の議論が素晴らしい。久しぶりに朝日新聞紙上で納得できる政治評論を読むことができた。住沢博紀の名前は初めて見たが、日本の現実政治に対する基本視角は私と殆ど同じで、こういう政治学者がいたことに率直に驚きを感じる。もうアカデミーから絶滅していなくなったと思っていた。引用しよう。「
欧米の主要政党には固有のプリンシプル(基本理念)とプログラム(基本政策)がある。米国では日常的に人々の価値観と各政党が結びついている。欧州でも伝統的に各政党の理念は国民にとって自明なものだ。これを土台に選挙前に示されるのがマニフェストである。かたや日本は、郵政民営化が争点だった05年選挙で大政党が自由主義に近い立場で戦い、今回はその反動で『社会的な問題に配慮する』と口をそろえる」。