ネットで探し出せる経済統計には限界があるが、それでも市民が経済政策を考える上で参考になるデータは少なからず揃えられる。選挙を前に経済政策を論ずる上で、私が最も関心を寄せる指標はGDPで、日本のGDPが低すぎるという問題意識がある。2000年には世界第3位だった日本の
一人当たりGDPは、2002年に8位に落ち、2004年には12位に落ち、2007年には19位に落ち、2008年には遂に23位まで落ちている。他の諸国は順調に成長を維持している中、日本一国が無意味に経済を停滞させている。ところが、その間に輸出は好調に伸ばしていて、停滞の原因は専ら内需、特に個人消費の低迷だと言われている。その事実は
内閣府発表の統計でも明らかで、民間消費支出が伸びてない。
名目GDPの推移を示したグラフを見ると、2003年から2007年の間は数字を伸ばしていて、好景気にわく世界各国の成長には後塵を拝し、相対的には落伍を重ねながら、何とか輸出の拡大だけで経済成長の数字を帳尻合わせしてきた。これが竹中平蔵らが「構造改革の成果」を自賛する際に常に根拠とするものである。だが、一人当たりGDPと同じように、10年間ずっと下がり続けた経済指標がある。それは、
一世帯当たりの平均所得で、1998年に655万円だったのが2007年には556万円まで減り、一世帯平均100万円も減少した。