ビデオ流出事件を転機として、仙谷由人が失脚したという観測を一昨日の
記事に書いたが、その情勢を裏づける象徴的な政界記事が本日(11/9)の朝日紙面(3面)に載っている。長妻昭と厚労官僚の確執についての特集だが、意味するところは、現政権の最高権力者である仙谷由人の失脚を告知する内容だ。これまで、特に政権交代後の1年間、朝日はずっと官僚の側につき、厚労官僚を代弁して長妻昭を罵倒する中傷記事を書き続けていた。「官僚を使いこなせない無能な大臣」のレッテルを貼り、長妻昭のせいで厚労省の士気が下がったとか、厚労行政が無用に混乱させられているとか、部下を統率するマネジメント能力がないとか、根拠のない嫌がらせの誹謗中傷を言いたい放題続けてきた。今年に入り、小沢一郎の失脚で仙谷由人が台頭して以降は、特に長妻昭に対するバッシングとハラスメントが酷くなり、仙谷由人とくっついた官僚たちが、長妻昭を徹底的に蔑み貶める記事を朝日に書かせていた。仙谷由人の権力は官僚がサポートしていて、政権交代による政治主導で危うくなった官僚の実権を、仙谷由人がせっせと自民党時代の元に戻していたのだ。「官僚を使いこなすのが政治主導」という欺瞞の言説を吐き散らしながら。官僚が言う「官僚を使いこなす」とは、官僚の言うとおりにするという意味で、大臣は飾りになるという意味に他ならない。その朝日が、長妻昭を擁護して仙谷由人を批判する記事を上げた。仙谷由人が官僚から切られた証左であり、朝日までも仙谷由人を見限った。