昨日(5/19)、丸の内の
丸善の1階売場を覗いたら、榊原英資の新刊の『ドル漂流』が平積みされていた。手に取って立ち読みをしているうちに、中身の半分近くまで読み進み、結局、レジカウンターに持って行くことになった。新しいデータが入ったグラフや表が多く載り、経済の本として読みやすく仕上がっている。最近、榊原英資の姿をテレビで見る機会がなく、高齢で健康でも害したのだろうかと心配していたが、文章の筆運びを見ると元気そうな様子が窺える。テレビで
水野和夫と榊原英資の解説を聞くと、経済の話を聞いた気分になる。ネットの記事では
田中宇。本の内容は、全体的なサーベイとレポートとしてはまずまずの論述が続いたが、一点、消費税のところで愕然とする主張が書かれていた。日本の財政赤字について、消費税の増税を怠ったから、これほど巨額の赤字が膨らんだのだと言い、直ちに欧州並みに15-20%の水準に税率を上げなくてはいけないと言うのである。財政赤字の原因を消費税増税の据え置きで説明する議論は、私には初めてで、しかも榊原英資の口から飛び出すのは意外だが、政府やマスコミや経団連からすれば、この榊原英資の「説明」は大衆を説得する情報として大いに使える。参院選にかけて、マスコミは消費税増税のキャンペーンを再び仕掛けるだろうが、榊原英資がその世論工作の先兵になってテレビに出演しまくる可能性がある。