週末から、急にマスコミと官僚が5月末先送り論を流し始めた。あれほど鳩山政権に対して包囲と倒閣に動いていたマスコミが、踵を返したように逃げ道を与える方向に転換している。5月末先送りなら社民党の主張と同じだが、それを岡本行夫までが言い始めた(5/9:NHK日曜討論)。つい一週間前まで、マスコミと官僚は、5月末で決着できないなら退陣しろと鳩山由紀夫に迫り、移設先を県内(辺野古)で確定して社民党を切れと要求していた。にもかかわらず、一瞬で論調を切り換えて、5月末先送り容認の空気に入れ換えている。仙谷由人や前原誠司までが5月末先送り論の立場になった。この官僚・閣僚・マスコミの方向転換は、米国政府のオーソライズを経たものだろうか。4/16に「5月末決着で責任を取れるんだろうな」と恫喝したオバマが、週明けの対応でどう出るか注目したい。米国政府の代理人の岡本行夫の口から、「先送りでも退陣の必要はない」の一言が出たことを考えると、米国も鳩山政権への死刑執行を猶予し始めた可能性がある。5月末先送り論には、二つのサブセットがパッケージになっている。(1)基地機能の日本全国分散論と、(2)平野博文の引責更迭論である。明日(5/10)、3/24以来二度目となる関係閣僚会議が開かれるが、この場で(1)と(2)が議題になるのだろう。3/24の公邸での会議は、鳩山由紀夫が自ら徳之島を「腹案」にする指示を出した場面だった。あの夜を境に勝連沖が消えたが、徳之島島民の猛反対と米国の徳之島拒否によってあえなく挫折、期限が刻々と迫る中、米国と官僚の思惑どおり辺野古桟橋案の最終方針へと推移した。