予想どおり、週末の政治番組は消費税論議一色となった。参院選の論戦が本格的にスタートしたが、話題は消費税ばかりだ。不愉快至極だが、支配者側の思惑どおりに政治が進行している。W杯が終わる3週間後には投票があり、選挙の結果が出る。選挙区の候補者は、どちらに投票しても、投票せずに棄権しても、当選するのは消費税10%増税を実現してくれる候補者である。消費税増税を参院選の争点にすると菅直人と仙谷由人は言ったが、投票する側からすれば争点でも何でもない。談合であり、大連立だ。ただ、菅直人の
10%増税の公約があまりに唐突で杜撰であり、マニフェストにも掲載されてない暴走だったため、不信感が先行し、テレビ論戦では民主党に対する批判が前面に立ち、民主党側は防戦一方となっている。小沢一郎批判でマスコミから得た高支持率、そして自民党との政策合わせによる争点潰し、この二つの戦略で優勢に立ったかに見えた菅直人の選挙戦だが、策士策に溺れるの徴候が見えてきた感もする。現時点で、菅民主党の不安材料は二つある。一つは、党内で正式な論議と手続きを経ずに消費税10%を公約にした独断専行に対する
反発である。もう一つは、菅直人の強引な増税策に対する世論の拒絶反応である。早速、新聞とテレビの
世論調査で内閣支持率の下落が始まった。マスコミが、反小沢と消費税の二つに狂喜して与えた60%の高支持率は、一気に10ポイントも
急降下している。今後、テレビ討論を重ねるほどに内閣支持率は下がるだろう。