昨夜(6/23)、報道ステーションの冒頭で小野善康の映像が登場して、菅直人の政策の
理論的根拠となっている「増税して経済成長」の持論が展開されていた。編集された放送の情報量は少なく、小野理論の全体が紹介されたわけではないが、キーのエッセンスとしては十分だろう。小野善康が強調したのは、何より雇用を創出するということで、いま政府が行うべき経済政策の第一として雇用創出を挙げ、そのために必要なら増税で原資を調達せよと言っている。セオリーだけを聞けば、ケインズ主義の主張として頷ける政策論だ。ただ、ここで問題になるのが、この「増税」の中身であり、それが所得税・法人税の増税なのか、消費税の増税なのかで、政策の性格は大きく違ってくる。この問題は神野直彦の増税論への見方とも関わり、現在の論壇で最も注目と関心が集中している論点でもある。ネットで確認できる
情報を見ると、小野善康は次のように言っている。「増税は消費税よりも累進性のある所得税の方がいいと思う。ただ、税制は副次的な問題で、不況時こそ政府が雇用をつくるという目的が重要だ」。この一言が全てを総括して説明していて、どちらかと言えば所得税(累進課税強化)の方がいいとは言っているが、それは副次的な問題だと言い切っている。ネットの中では、小野善康の増税論を消費税増税だけに決めつけて歪曲しているとして、マスコミ報道の悪意と作為を批判し、小野善康を擁護する主張がある。