菅直人の消費税発言のブレについて、マスコミが本格的に追及する様子がない。帰国した
菅直人を待ち受けて、ぶら下がり会見で「消費税の
争点隠し」に猛然と噛みつくものと期待したが、豈図らんや肩すかしを食わされた。テレビでその場面が放送されれば、確実に内閣支持率が5%下がっただろう。その代わり、菅直人が選挙対策として仕組んだ二つの会議、①新年金制度の
会議と②税と社会保障の番号制度の
会議について、テレビが宣伝報道をしていた。この二つは、消費税増税のための政策措置で、民主党がアリバイ工作として見せているものであり、同時に消費税増税への手続きとして慌ただしく踏んでいるステップでもある。年金制度の新設計は、昨年の
鳩山マニフェストの中で公約されていたもので、消費税を財源とする設計図を国民に示し、4年後に総選挙で信を問うという計画が示されていた。これまで、年金制度について、民主党は最低保障年金を税で賄う二階建方式を唱え、財源に消費税を充てる構想を言い続けていて、制度設計は消費税増税を組み入れた内容になる内容が想定されていた。ただし、鳩山マニフェストに明示されているとおり、当初2年間は年金記録問題を解決するための集中対応期間とされ、制度設計への着手は3年目(2013年)となっていた。思えば、年金問題は、この10年近くずっと選挙の主要な争点になってきて、一元化と最低保証が論議され、その論議は常に野党の民主党がリードしてきた。