国内の反TPPの気運が弱く、一向に盛り上がる気配がない。私から見て、何とも不可解で寒々しい光景だ。逆にTPP推進派の方は日を追って勢いを増し、マスコミ世界を完全制圧しているばかりか、ネットの中でもTPP推進派が増えている。昨年の11月当時を思い出すと、期待の新星として登場した
中野剛志へのリンクが各所で氾濫し、情報全体としてはTPP反対派が圧倒している感があった。今、TPP推進派の怒濤の
攻勢の前に反対派が沈黙し、半ば諦めて情勢を達観、交渉参加まで織り込んだ気配が漂っている。陣地後退がくっきりだ。農協のデモがない。農業団体の官邸への陳情の場面がない。地方県の知事の反対表明がない。医師会長の会見がない。日弁連会長の反対声明がない。起こるべき反発がなく、カウンターの政治が何もハプンしない。反対派の陣営の危機感の無さに呆然とする。昨日(10/16)は、遂にこの政局のカギを握る輿石東が口を開き、TPP参加の方向で党内を纏める旨の
発言をした。民主党のPTに与える影響は小さくないだろう。反対派としてテレビに登場するのは山田正彦だけで、自民党の議員と連携する動きがない。超党派の議連での活動が見えない。消極的反対派が次第に中立派になり、さらに消極的支持派へと立ち位置を寄せている。今回は、中野剛志も影が薄く活発に動いている様子がないが、カネを掴まされて裏切ったのだろうか。