昨夜(10/27)のNHK-NW9では、野田佳彦が、APEC諮問委員会のメンバーである経済界代表の訪問を受け、TPP交渉に参加するよう要請を受けた
ニュースをトップに配置、「しっかり受け止めて今度のAPECに臨みたい」と発言する場面を放送した。また、前原誠司が会見で、「最終的に結論を出して決めるのが政治の責任だ」と不敵な面構えで嘯く映像も見せ、政権がTPP参加に向けて盤石の態勢で臨んでいて、APECでの交渉参加が揺るがない決定事項であるように報道していた。TPP交渉参加は、もはや後戻りできない絶対的国是であるかのように説明し、抵抗勢力は排除されるだろうという見通しを含意したニュースに演出されている。典型的な情報工作だ。面白いことに、読売の
記事が「TPP推進派巻き返し」と題して、同じ内容を伝えている。情報の中身は全く同じで、読売もNHKも、実質的にTPP推進派による政治宣伝なのだが、読売の記事の方が立場(党派性)に正直な書き方をしていて、NHKのような悪質な欺瞞性が薄い比較になっている。TPPをめぐる昨日の攻防の中で、推進派に都合のいい情報をピックアップしたという作為を隠していない。昨夜の大越健介は、この問題で報道するべき最も重大な情報に全く触れなかった。それは、谷垣禎一と山口那津男が会談して、APECでのTPP参加表明は拙速だと確認した
事実である。