TPPへの交渉参加を阻止するためには、政局にするしかなく、国会で参加反対決議を上げるか、内閣不信任案を可決して、APECでの参加表明を白紙化するしか方法がなかった。順番としては、まず民主党の反対派が離党表明し、超党派で連携してモメンタムを作り、次に野党が多数を握る参院で参加反対決議を可決させ、世論の支持を得て、民主党内から造反議員を大量に出させ、最後に衆院で内閣不信任案を可決成立させる。そういう戦略の想定である。不可能な図ではなかっただろう。政治は生きものであり、TPPの論議が重ねられ、内実が暴露されるほどに、TPPへの不信や疑念は高まる一方で、政府の参加表明は拙速だとする判断が国民世論の圧倒的多数だった。しかし、この、政局でTPP参加を白紙化するという可能性は、民主党反対派の裏切りで呆気なく潰えてしまった。山田正彦たちの欺瞞は許し難い。あの夜、欺瞞の会見をした後、山田正彦らは議員会館前で座り込みを続ける農協の青年たちの前で釈明をしたのだろうか。それとも、彼らへの説明責任を逃げたのだろうか。野田佳彦が参加表明した後の、彼らの姿をマスコミは取材報道していない。11/11は東京は冷たい雨が降っていた。西田佐知子の『アカシアの雨がやむとき』。ブログに
動画を貼ろうかと思ったが、そういう気分になれなかった。あまりに欺瞞的で、半世紀前の政治とは情景が違うからだ。