朝日の9面(国際面・11/20)に、「スペイン 政権交代濃厚」と見出しが打たれた
記事が出ている。与党の社会労働党が敗北し、右派の国民党に政権が移る。記事によれば、国民党は、「医療費や失業手当などの削減をも視野に入れていることを示唆し、(略)公務員の給与カットを進め、財政再建を急ぐ考えを強調」とある。社会保障を削減して財政再建する政策に乗り出すのだが、スペイン国民は国民党の掲げる新自由主義路線を選択する
結果に落ち着きそうだ。失業率が22%と高止まりしているため、現政権への不満が鬱積していることと、ユーロ危機の脅迫が効果を発揮していることがある。国民一般は、デフォルトとユーロ圏からの村八分を恐怖し、背に腹は代えられぬの論理と心理で、社会保障削減を受諾する態度に出ているのである。全く同じ流れが、ギリシャから始まってイタリアへと続き、南欧諸国の債務危機が政権交代を惹き起こし、そして、社会保障削減と規制緩和の新自由主義が席巻する動きとなった。現状、欧州は一つの国家であり、各国は州と同じで、大きな方向性に対して州政府は抵抗することができない。希→伊→西と続いた流れは、間違いなく仏へと波及する。フランス大統領選まで半年。今回、
社会党の勝利を期待したが、事態は逆の方向に進み、欧州はIMFが支配する反動の新自由主義大陸に化けようとしている。