金正日死去の第一報を聞いて最初に感じたのは、2日間、北朝鮮がこの事実を秘匿しきったことの意外であり、偵察衛星と地上工作員の監視を潜り抜けて、他国の諜報機関に漏らさなかった首尾の見事さだ。韓国も中国も米国も、この重大情報の入手に失敗したわけで、北朝鮮の機密保全能力に驚かされる。韓国が情報を押さえていなかった証拠は、李明博の12/17-18の訪日によって歴然だ。異変に気づいていれば訪日は絶対にあり得なかった。これは韓国政府にとって失点であり、韓国の情報当局は世論の非難を浴びて責任を追及されるだろう。米国が情報を掴んでいなかったことは、同じく李明博の訪日により推測される。もし異常を探知していたなら、それが未確認であっても、必ず青瓦台と米韓連合軍司令部に急報を入れていたに違いない。同様に、中国が先に情報を握った場合でも、極秘で韓国に届けたと思われる。また、米韓を出し抜いて情報を得たということを世界に知らしめる行動に出ただろう。世界で最も強力で精密な諜報能力を持っている米国と中国、その二国が最も神経を尖らせて動静を追っている対象が金正日だったはずだが、二国の諜報は北朝鮮の防衛に阻止された。ただ、本当に2日前の突然の急死だったのかどうかは、私には疑問が残るところで、朝鮮中央放送の女性アナの雲隠れは、果たして今回の件と何も関係がないのだろうか。