反貧困と反格差とは違うということは、繰り返し何度でも言わなければならない。同じではない。もしOWSの抗議者たちに日本の消費税問題について問い尋ねたら、彼らは何と答えるだろうか。現役世代と将来世代の負担を軽減するため、増税に賛成だと言うだろうか。それは絶対にあり得ないだろう。Tax The Richの標語をプラカードに掲げている彼らは、社会保障の財源は富裕層と大企業への課税でファイナンスせよと言うはずだ。GreedなBankに課税して、HealthcareとEducationに回せというのが彼らの要求であり、Greedに蓄積した資本はJobの創出と労働者への分配に使えというのが彼らの主張だ。逆進性の高い消費税で社会保障を賄おうとする政策に対して、OWSが賛成するはずがないと私は確信する。当然だろう。消費税増税をすれば、低所得者はさらに貧しくなるのである。ところが、日本の反貧困系の若い運動家たちは、なぜだか理由は全くわからないが、宮本太郞を御輿に担ぎ、宮本太郞の理論と政策に帰依し、「社会保障のための消費税増税」を推進する一派となって潮流を作っている。具体的には湯浅誠がそうであり、POSSEの川村遼平がそうである。他にも無数にいる。そして、若い連中に引き摺られて、この国の左派全体がこの方向に収斂しつつある。まさに霞ヶ関の思うツボ。左派の反貧困系が消費税増税を求めている。