敢えて言うが、今、この時点で一川保夫は辞任するべきではない。一川保夫に辞職を要求するのは話が違う。沖縄の問題で責任をとるべきは、まず「犯す前に言うか」の発言をした田中聡で、田中聡を免職処分することが先だ。一川保夫の辞任はその後でいい。この件は問題が巧妙にスリ替えられている。本来、田中聡の沖縄差別暴言に焦点が当てられ、その始末に政治が追われるべきところが、一川保夫が言いがかりの別件で身代わりにされ、不当に生贄にされる筋違いの政局が現出している。これは、防衛官僚と右翼議員とマスコミが結託し、そこに前原誠司ら政経塾一派が絡んで仕立てた謀略の政治だ。裏でシナリオが組まれている。謀略の目的は二つある。一つは、田中聡の身柄を隠して世間の指弾から庇護し、国民の憤激や関心が冷めるまで時間稼ぎを図り、穏便な処分で済ませて機を見て復活させること。おそらく、これは米国(ルース・メア)から政権と防衛省に指令が出ているのだろう。田中聡は米国の大事な部下だ。もう一つは、消費税増税の政局で小沢派を押さえ込むことである。またぞろ、党内抗争の暗闘が始まっていて、小沢派に消費税増税反対で揺さぶりをかけさせないように、主流派が一川保夫と山岡賢次を人質に取り、二人の首に匕首を突きつけ、「二人の命が惜しかったら消費税で動くのは止めろ」と小沢一郎を脅しているのである。