革命未だ成らず。そう言えば、今年は孫文の辛亥革命から100年の記念年でもあった。昨日(2/4)、エジプトの民衆は「追放の日」と名付けて大規模デモをかけたが、世界中が期待したムバラク退陣は実現できなかった。反政府側が大統領官邸に押し寄せる図はなく、現時点で事態は膠着状態にある。国軍を押さえているはずの米国が、電光石火のムバラク追放に踏み切れない。ムバラクの居直りの前に狼狽し、思惑どおりに政局を運べず右往左往している。オバマの優柔不断も目立つが、米国の力の衰えを実感させられる。米国は、邪魔になった傀儡はすぐに排除した。1989年にはパナマのノリエガを拉致して身柄を米国に移送したし、1963年には南ベトナムのゴ・ジン・ジエムを残酷に殺害している。テリトリーを統治する上で不具合になった独裁者は容赦なく処分した。敵対するアラブの指導者に対しては、暗殺を堂々と宣告して、居宅を空爆したりミサイル攻撃したりしている。1986年のカダフィ暗殺未遂、2003年のフセイン暗殺未遂。2002年のラマラのアラファト議長府へのイスラエル軍による砲撃と突入の容認もある。そうした米国の過去の行動パターンから考えると、今回のムバラクへの対処はあまりに遅々として成果が捗らず、米国の中東干渉のフリーハンドが機能不全になっている現実を思い知る。