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花神はどこへ行った - Where Have All The Engineers Gone ?
2011-03-31 23:30:00
テーマ: 政治・経済
昨夜(3/30)のNW9を見ていると、またぞろ怪しげな原子力の専門家が登場し、排水口の海水に含まれているヨウ素131が法令基準値の3355倍の濃度である問題を解説していたが、その原因については全く要領を得た説明をしていなかった。テレビに出る原子力工学や放射線医学の専門家の話は、西山英彦や枝野幸男の意味不明のゴマカシ会見を擦り、それをフォローし、コーティングしているだけで、解説として満足できる議論になっていない。そこには、自己の知識を動員した仮説の構築が試みられておらず、科学者としての良心や知性や責任感が寸毫も感じられない。政府当局の会見を要約して伝えるだけなら、サラリーマンの水野倫之の仕事で十分なのだが、政府当局のその場凌ぎの欺瞞と詭弁を抵抗なく信じ込ませ、国民の動揺を押さえ込むために、東大教授とか阪大教授の権威の肩書きを示威しているのだろう。彼らは学者ではなく官僚である。彼らの解説には、問題に立ち向かって推論と仮説を提示する営為がない。問題を捉えるべく概念化を試みて説明しようとしない。知っていることと知らないことを区別する率直さがない。ウェーバーの言う「精神なき専門人」の腐り果てた窮極の姿。NHKに出て来る御用専門家に較べれば、3/29に報ステに出た東工大の者は、自分は専門の原子物理についてはコミットできるが、配管や水の問題まで説明できないと限定を付したが、そちらの方がまだ科学者らしい態度だったのではないか。
火事場泥棒で消費税増税を企む一色清と財務省 - 建設国債でやれ
2011-03-30 23:30:00
テーマ: 政治・経済
昨日(3/29)の記事で、震災が消費税を日本の政策の争点から外したと論じたが、とんでもない事実誤認だった。この震災と原発事故の混乱のどさくさに紛れて、復興予算の財源手当を名目に、消費税増税が火事場泥棒的に強行されようとしている。これには驚き唖然とした。昨夜(3/29)の報ステの中で、一色清が平然とその暴論を吐いているので、慌てて新聞社のサイトを調べたら、やはり、財務官僚が巻き返していた。3/18の時点では、日銀引き受けの復興国債発行で確定だったはずの財源措置が、いつの間にかそれが消え、消費税増税を主体とする財源論に変わっている。一色清は、あくまで復興予算の緊急措置で、期間を区切って増税し、復興予算の財源確保の目的を遂げたら税率を下げると口上を垂れ、キリッとした顔つきで与謝野馨と財務省の代弁をしたが、そんな見え透いた嘘を国民が信じるはずがないではないか。泥縄的に「社会保障」の名目での消費税増税に繋げ、税率は下げずにそのまま維持するか、さらに引き上げて行く魂胆なのだ。つまり、国民に抵抗があって容易に踏み切れなかった消費税増税に、この震災を機に復興対策を隠れ蓑にして滑り出そうとする卑劣で姑息な手法を押し通そうとしているのである。国民が悲劇に突き落とされたこんな非常時でさえ、ペイアズユーゴーを公然と言い、東北や関東の者にも増税の負担を冷酷に強いるのである。
日本の三つの可能性 - 再生、新自由主義による東西格差、破滅
2011-03-29 23:30:00
テーマ: 政治・経済
辺見庸は、3/16の特別寄稿の中で次のように言っている。「われわれはこれから、ひととして生きるための倫理の根源を問われるだろう。逆にいえば、非倫理的な実相が意外にもむきだされるかもしれない。つまり、愛や誠実、やさしさ、勇気といった、いまあるべき徳目の真価が問われている。愛や誠実、やさしさはこれまで、安寧のなかの余裕としてそれなりに演じられてきたかもしれない。けれども、見たこともないカオスのなかにいまとつぜんに放りだされた素裸の『個』が、愛や誠実ややさしさをほんとうに実践できるのか。これまでの余裕のなかでなく、非常事態下、絶対的困窮下で、愛や誠実の実現がはたして可能なのか。家もない、食料もない、ただふるえるばかりの被災者の群れ、貧者と弱者たちに、みずからのものをわけあたえ、ともに生きることができるのか、すべての職業人がやるべき仕事を誠実に追求できるのか。日常の崩壊とどうじにつきつけられている問いとは、そうしたモラルの根っこにかかわることだろう」。この言葉は重く響く。人として問われ、求められる誠実さと較べて、政府も、報道も、ネットも、とても遠いところにいて、特に東京で生きている者たちがそうで、自分もその中で藻掻いているだけのように見える。私は、どうしようもない無力感に苛まれながら、三つのことを考えている。この国の今後の三つの可能性について。
40キロ離れた飯館村でチェルノブイリ避難地域の6倍の放射能汚染
2011-03-25 23:30:00
テーマ: 政治・経済
いつもなら桜の開花に心を寄せる季節だが、今年はそれがテレビ報道の話題にならない。駅も電車の中も節電のために薄暗く、戦時下のように風景が変わり、われわれの生活が変わった。今日(3/25)の朝日の1面には、「福島第一、レベル6相当」と見出しが出ている。保安院が3/18に発表したレベル5が引き上げられ、スリーマイル島を上回る事故規模が確定的となった。これは、朝日が政府高官(おそらく仙谷由人)からリークを受けて先出しする告知情報だ。レベルを引き上げる根拠あるいは契機となったのは、外国の関係機関による放射能推定の情報だろう。3/23には、オーストリアの研究所が福島第一原発から放出された放射性物質の量を試算して、事故後3-4日のヨウ素131の放出量はチェルノブイリの10日間の約20%、セシウム137の放出量は同じく約50%と推計している。きわめて多い。しかも、福島の場合は、2週間経った今でも放射性物質の漏出が続いている。政府や報道は、福島の事故について「チェルノブイリとは違う」と強調し、炉心爆発の有無や原子炉構造の差異を論い、今回の事故の規模を小さく印象づけようとしてきたが、内部に格納されている核燃料の量が福島はチェルノブイリの10倍もあると言われ、また、チェルノブイリでは1基だけの事故だったのに対して、福島では同時に4基で問題が起きている。チェルノブイリは爆発によって短期に放射能を拡散させたが、福島は時間をかけてゆっくりと漏出と汚染を続けている。
救援物資は首都圏から小口車両でピストン輸送する中央処理方式を
2011-03-23 23:30:00
テーマ: 政治・経済
昨夜(3/22)のNHKのクローズアップ現代は、被災地に物資を届けるロジスティックスについて特集していたが、出演させたゲストの話が恐ろしく一般論で、「仕組み作り」などと称して3か月先の話を悠長にしている。明日、ガソリンと灯油を現地に配達する具体論になっていない。この震災が起きて以降、テレビでは新顔の「専門家」が多く登場し、「支援体制の仕組み作り」を喋々するが、どれも危機感と説得力のない抽象的な持論の饒舌ばかりで、今、被災地で水・食料と燃料・医薬品を待っている人々に即応する提案や発言になっていない。どこか遠くの国で起きた震災を眺めて評論しているか、数か月前に起きた災害について迂遠な対策論を講じているようだ。呆れるほど無意味な茶飲み話ばかりがテレビ論壇を覆っている。テレビに登場する論者たちは、被災地の生の窮状を全く実感できていない。一分一秒を争う深刻さを皮膚感覚でわかっていない。自分の顔と持論をテレビで売ることに神経が集中している。NHKは何を考えているのか。国谷さんの番組とも思えない。過去の出来事ではないのである。被災地では70万人が生き地獄の中で喘ぎ、命の危険に曝されながら政府の救援を待っているのだ。問題は、今すぐに何をどう手を打つかで、短期速効の緊急救済案こそを論じ、テレビを通じて直截に政府執行部を動かさなくてはならない。応急策と中期策を分けて論じる人間がいない。  
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