相変わらず、NHKは避難所にカメラを入れ、「今、必要なものは?」と聴き、それを被災者に言わせている。カメラの前の人々は、藁をもすがる気持ちで「水、食料、毛布、情報、灯油、医薬品」と答える。しかし、誰がそれを届けるのだ。NHKは悪魔のように残酷で欺瞞的だ。宮城県も岩手県も福島県も、災害対策本部をまともに動かしておらず、全国からの救援物資の受付業務をしていない。本部長である県知事が姿を隠して顔を出さず、震災発生から4日が過ぎたのに何も言葉を発しない。救出や救援の意思を示さない。政府や国民に対して、救援を依頼し懇請する立場の責任者が、テレビに出ず、何も言わずに沈黙している。この無責任と逃走には理由がある。まず、おそらく県に救援物資の備蓄がないのだ。非常用食料、毛布、医薬品等、災害時に緊急に搬送しなければならないものを、県の「事業仕分け」で倉庫から処分していたに違いない。昨年の
事業仕分けでは、蓮舫が農水省の備蓄米事業を無駄だから廃止だと断じていた。もう一つ、おそらく政府の方が各県知事に指示を出して、マスコミに出て喋るなと口止めしているのだ。国から被災地に給付するものがなく、国が救援事業を本気でやる気がないから、行政による支援が行われているような想定や前提を作り出すなと県に厳命しているのである。行政は支援しないのだ。救出活動(自衛隊)も必要な量を投入しないし、救援物資も十分な量を手当しないのである。