昨夜(3/22)のNHKのクローズアップ現代は、被災地に物資を届けるロジスティックスについて特集していたが、出演させたゲストの話が恐ろしく一般論で、「仕組み作り」などと称して3か月先の話を悠長にしている。明日、ガソリンと灯油を現地に配達する具体論になっていない。この震災が起きて以降、テレビでは新顔の「専門家」が多く登場し、「支援体制の仕組み作り」を喋々するが、どれも危機感と説得力のない抽象的な持論の饒舌ばかりで、今、被災地で水・食料と燃料・医薬品を待っている人々に即応する提案や発言になっていない。どこか遠くの国で起きた震災を眺めて評論しているか、数か月前に起きた災害について迂遠な対策論を講じているようだ。呆れるほど無意味な茶飲み話ばかりがテレビ論壇を覆っている。テレビに登場する論者たちは、被災地の生の窮状を全く実感できていない。一分一秒を争う深刻さを皮膚感覚でわかっていない。自分の顔と持論をテレビで売ることに神経が集中している。NHKは何を考えているのか。国谷さんの番組とも思えない。過去の出来事ではないのである。被災地では70万人が生き地獄の中で喘ぎ、命の危険に曝されながら政府の救援を待っているのだ。問題は、今すぐに何をどう手を打つかで、短期速効の緊急救済案こそを論じ、テレビを通じて直截に政府執行部を動かさなくてはならない。応急策と中期策を分けて論じる人間がいない。