終戦の日に放送されたNHKの「日本人はなぜ戦争へと向かったのか 戦中編」は、内容が濃く、印象に残る番組だった。キャスターの松平定知が素晴らしい。番組を見ながら、当時の状況を現在の日本と二重写しで捉えた視聴者は多かっただろう。軍部を官僚と置き換えれば、事態は現在と全く同じで、その先に破滅があることに気づく。前に私は、霞ヶ関は更地にして公園にするというグランド・ポリシーの提案を出したことがある。過激に聞こえるかもしれないが、そうなる可能性は十分あるのではないかと思い、私は歴史にひそかな自信を持っている。当時、日本を支配し、戦争政策を遂行していた参謀本部と軍令部、陸軍省と海軍省は、今、その跡地がどこにあるのか知る者すらほとんどいない。ここに戦前日本と戦後日本の断絶の例証がある。われわれが破滅を迎え、その次の時代を築くとき、現在の霞ヶ関と官庁群は、戦前の軍国支配者の本拠と同じ運命になっているだろう。歴史はそう審判し、鉄槌を振り下ろすだろう。破滅に至ったのは人災によるもので、責任者は処罰を受けねばならない。「無責任の体系」に革命のメスが入れられ、国を破滅に至らせた元凶が否定される時が来る。再生のために、彼らが処断され抹殺される時が来る。それは、過去と同じく、無辜の民の大量の流血と犠牲を伴った上でのことだろうし、そうでなければ、歴史的な転換はこの国ではハプンしない。